理事長・院長ご挨拶
当院のホームページへご訪問いただきありがとうございます。
当院は、1936年の開設以来、聖徳太子の十七条憲法にある「和を以て貴しと為す」を理念とし、「地域と歩む心の医療」を合言葉に山口県防府市右田の地で、精神科専門病院として、地域に根ざした医療に取り組んで参りました。
開院当初の建物は、当時の精神科病院には珍しい、「塀の無い」建物で、初代院長である水津信治の精神科に対する差別や偏見を無くしたいという思いが込められたものでした。
2001年に、地域のニーズに応えるため、また医療のあり方の変化に対応するために認知症病棟を加えた病院を新築いたしました。この建物も、塀を作ることなく初代院長から伝わる思いを受け継いでおります。
その後、更なる患者さんの社会復帰を後押しするため、2004年には精神科デイケア「きわの苑」を開設いたしました。
年月とともに、新病院、精神科デイケア等色々なものが増え、ハード面は充実したものとなってまいりましたが、忘れてはいけないのは精神科医療の根本は「人と人とのつながり」にあるということです。
精神科は、患者さんそれぞれの人生と向き合っていくところです。そのことを忘れないようにし、日々進化する医療に遅れをとらぬようにスタッフ一同、知識、技術、熟練度、そして思いに磨きをかけていかなければなりません。
それには、医療スタッフとしての視点だけで無く、社会からみた精神科の視点、一般の方の視点を学ぶことも大切だと考えております。
そこで当院が始めたのが、地域の普及啓蒙活動としての「精神保健ボランティア養成講座(SBP)」です。SBPは、一般の方々に当院スタッフによる講義を受けていただき、その後ボランティア登録を経て、精神保健ボランティアスタッフとして当院の医療に協力していただくものになります。当院スタッフともワークショップなどを一緒に行い、参加された皆様が精神科医療をどのようにお考えかを知るよい機会になっています。そんなSBPも今年で11年目になります。ゆくゆくは防府病院の殻を破って、もっと広い地域へ羽ばたいていってほしいと思っております。
これからも精神科の専門病院として、地域で生活する患者さんの支援や、当院で療養される患者さんへできる最大限の心のケアを提供してまいります。
医療法人 貴和会防府病院
理事長・院長 水津 信之